遺言と生前贈与
遺言
大切な家族を守る「遺言書」を作りましょう。
相続は、よく「争続」という漢字を当て字されるほど、しばしば遺族の間にも大きな争いを生じさせてしまいます。被相続人が残した遺産を分割するためには、相続人間に感情的なしこりがあると巧くまとまらないことも多いものです。
遺産分割において、相続人となる方は「自分の主張だけでなく、各相続人の事情も考慮するべきである」ということを留意することが必要ですが、被相続人としては遺産の行き先をはっきりと指定した「遺言」が大切になるのです。
紛争になる可能性のある場合にはもちろん、遺産を残すことになる方は是非遺言を作成しておくことをお勧めします。また、遺産を受け取る側も、上手に機をとらえ、生前に遺言を書いてもらうようお願いすることが大切です。
遺言の種類
遺言書は大きく考えて、専門家に依頼せず手軽に自身で作成する「自筆証書遺言」と、専門家のアドバイスを受けながら作成、安全で確実な「公正証書遺言」の二つがあります。
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自筆証書遺言 |
公正証書遺言 |
概要 |
日付・氏名を含め、自筆で遺言書を作成し、押印する。 |
公証人役場で、2名の証人の前で遺言内容を公証人に申し述べ、公証人が遺言書を作成する。 |
メリット |
●手軽でいつでもどこでも書ける。 ●費用がかからない。 ●誰にも知られずに作成できる。 |
●公文書として、強力な効力をもつ。 ●家庭裁判所での検認手続が不要。 ●死後すぐに遺言の内容を実行できる。 ●原本は公証役場に保管されるため、紛失・変造の心配がない。 |
デメリット |
●不明確な内容になりがち。 ●形式の不備で無効になりやすい。 ●紛失や偽造・変造、隠匿のおそれが ある。 |
生前贈与
生前贈与とは、被相続人が死亡する前に、自分の財産を人に分け与える行為です。個人の財産は、各個人の意思により自由に処分できるのが原則です。また生前贈与は、将来負担すべき相続税を抑えるという目的のために利用されます。
生前贈与の注意点
生前贈与の際の注意点として、次の4点を確認する必要があります。
- 贈与税と相続税の節税額の分岐点を確認しておくこと
- 遺産分割トラブルとならないように注意すること
- 贈与契約書を作成し公証人役場で確定日付を取っておくこと
- 相続開始前3年以内の相続人に対する贈与は相続財産として加算されることを確認すること
次に実際の生前贈与のやり方を見てみます。
贈与税は暦年課税で、1年間の基礎控除額が110万円です。
つまり、年間で110万円以下の贈与については課税されず、申告も不要ですので、一番シンプルな生前贈与の方法だといえます。
もちろん、当事務所でも経験豊富な税理士をご紹介させて頂きますので、まずはご相談下さい。