相談事例

当事務所で実際に相談のあった実例をもとに作成しております。

1.【家族信託】1人身の高齢者からのご依頼のケース

2.【家族信託】脳梗塞で突然倒れた1人身の妹からのご依頼のケース

3.【成年後見】認知症の方の親族からの依頼のケース

4.【相続登記】相続登記を長期間放置していた相続人からの依頼のケース

 

1.【家族信託】1人身の高齢者からのご依頼のケース

状況

配偶者、子供に先立たれ現在1人身の高齢者及びその姪からの相談で、最近物忘れも多くなってきているし、そろそろ施設入居も考えていかなければいけないとのこと。

今後そうなった場合にスムーズに手続きができるよう備えておきたいがどうしたらいいかとの相談。

提案

まず、本人の意向としては、これまでお世話をしてくれている姪に全ての管理や手続きを任していきたいとのことでした。
本人の意思能力もまだしっかりしていたこともあり、家族信託の利用が最適だと考え、本人及び姪に説明させていただきしました。
本人の財産状況は、居住用不動産と預貯金でしたので、本人が元気なうちに、あらかじめ姪にその財産を信託をしておけば、
将来、認知症や病気で本人による管理が困難になった場合であっても、家族信託で取り決めた内容に従い、
姪の権限で居住用不動産の売却やその金銭、預貯金の管理を任せることができると説明をさせていただきました

結果

本人及び姪も家族信託に非常に興味を持っていただき、提案を快諾してくれましたので、早速手続きに着手し、公証センター関与のもと、信託契約の締結、
居住用不動産の信託登記を完了し、相談者様の意向にそった形の解決をすることができました

 

 

2.【家族信託】脳梗塞で突然倒れた1人身の妹からのご依頼のケース

状況

結婚歴がなく子供もいない本人が突然脳梗塞で倒れ、病院でほぼ寝たきりの状態でした。こちらからの問いかけに対して、
首を上下左右に動かすことができる程度であったが、意思能力があることは明確だった。
本人の唯一の親族である妹からの相談で、今後かかる入院費等のために、本人の財産管理をしていきたいがどうすればいいかとの相談

提案

緊急性を要する事案でもあり、医師からは様態の変化によっては長くはない可能性も伝えられていたので、手続きにある程度の時間のかかる成年後見制度よりも、
家族信託を利用して、預貯金の一部を妹に信託し、そこから今後発生する入院費等を捻出していったらどうかと提案
した。

ただ、意思能力には問題ないものの、本人の状態から公証人がどう判断するかはやってみないと分からないと事前に説明したうえで、
本人及び妹も家族信託を利用することに快諾をしていただいたので、早速手続きに着手した。

結果

公証人に出張によって面談をしていただき、信託契約の締結に問題ないとの判断をいただいたので、無事信託契約を完了させることができた。

 

3.【成年後見】認知症の方の親族からの依頼のケース

状況

認知症の本人には、子供がおらず配偶者と兄弟姉妹も既に他界している。本人は認知症ではあるけれども、デイサービスを利用しながら、一人暮らしをしている
しかし、認知症の影響からか、「家に泥棒が入った」「親族がお金を盗んだ」「私のお金はどこにいった」等と言うようになり、親族や介護士も大変苦慮していた。
そのため、面倒をみていた唯一の親族の1人から相談を受けた。

提案

認知症の根本的解決とはならないが、成年後見制度を利用して、金銭管理を全て成年後見人に任せば、金銭管理をしない親族等が疑いをかけらえることはなくなるのではないかと提案した。
また、本人に、今後は成年後見人が金銭管理をすることについて話をすると、安心納得した様子だったので、その親族を申立人として早速成年後見人の手続きに入った。

結果

認知症でしたので、面談の都度、金銭管理についての説明は必要でしたが、成年後見人が全ての金銭管理を行っていることは理解をしてくれていましたので、
以後、親族等にお金を盗られたという妄想は言わなくなり、現在も良好に成年後見制度を利用しています

 

4.【相続登記】相続登記を長期間放置していた相続人からの依頼のケース

状況

父が死亡してから、長年父名義の不動産をそのままにした状態なので、整理をしたいと娘さんから相談があった。そこで現在の親族状況を聞き取りすると、
父には再婚歴があったり、既に死亡している子供もいたりと、相続関係が複雑になっていることが想像できた。

提案

まずは、戸籍調査をする必要性があったので、戸籍収集の承諾をくださいと依頼者に伝えた。また、聞き取り状況から判断して、代襲相続も発生していると思われたので、
遺産分割協議の合意に時間がかかる可能性も伝えた
。遺産の対象が不動産でもあるので、複数の相続人で持分取得するよりも、依頼者が代表して不動産名義を取得し、
売却代金から法定相続分で各相続人に金銭分配するのが一番まとまりやすい方法であるとも説明
した。

結果

法定相続人は合計5名であることが判明し、電話、手紙を利用して連絡をとった。依頼者を除く他の相続人全てが代襲相続人と被相続人から遠い親族関係の人達が多かったので、
スムーズに協議内容を受け入れてくれるか不安もあったが、全て法定相続分での分配であることに公平感を感じていただきスムーズに遺産分割協議が成立した。
本件不動産は遺産分割協議の成立とともに売却も決定したので、各法定相続人への金銭分配まで比較的スムーズに完了することができた